シュガーメロディ~冷たいキミへ~



平静を装って厨房に入ったつもりだけど、自分でも知らないうちにすごく緊張していたらしい。


先に厨房にいたふたりが教室から出ていき、あたしと梨音だけになった途端に身体から力が抜けて思わずその場にしゃがみ込んでしまっていた。


ドキドキと鳴る心臓の音が妙に大きく聞こえる。


自分の顔がすごく熱いのが分かる。


そんな熱を逃がそうとするように、思わず大きく息を吐き出した。


「こっ、このみちゃん!?」


驚いたような梨音の声。


そりゃあ驚くよね。


いきなりしゃがみこむわ、今野くんに変な態度とるわで、自分でもびっくりだもん。


昨日の放課後までカケラも意識してなかったのに、今じゃこんなに頭を占領されてる。


今までなんとも思っていなかった屈託ない笑顔が、心地良い高さの声が、……甘い言葉が、あたしの脳を容赦なく揺らす。


あたしって単純なのかな。


好きだなんて思ってなかったのに、告白されただけでこんなに意識しちゃうなんて。


今まで見えてなかった今野くんのカッコいいところが急にハッキリ見えるようになったように感じるなんて。