グイッ、と突然腕を掴まれた。 「このみん、」 そこまでは、皆もに聞こえるようないつもどおりの声。 梨音が驚いたような顔であたしを見ていた。 「……可愛い」 耳に吐息が触れる距離で囁かれて、ドクンと大きく心が揺れた。 「は……」 「言っとくけど俺、諦める気ないから」 「な……っ」 かあああっ、と一気に顔に熱が集まる。 言葉が何も出てこない。 そんなあたしを見て、今野くんは満足げに小さく笑うと何事もなかったかのように掴んでいたあたしの手を離した。 「……っ、い、行こ、梨音」