「クラスメイトじゃなかったんだ?」
なんとなしに訊けば、今野くんは「知らない子ばっかだった」と苦笑を零して。
そっか、と頷きつつ、ふといつかの今野くんの言葉が脳裏をかすめて、「とか言って、本当はみんなわかったんでしょ?」と我ながらニヤニヤと気持ちの悪い笑みを浮かべて今野くんの肩を掌で軽く叩いた。
すると、今野くんは訳が分からない、とでも言いたげに不思議そうな顔をする。
「何言ってんの」
「え~?だって今野くん、言ってたよね?女の子の名前は、音楽科も普通科も全員覚えてる、って」
今野くんに初めて会ったときに言われたその言葉が強烈すぎて、今でもはっきり覚えてるよ。
さっきの子たち、可愛い子多かったし。
知らない、なんてありえないよね!
「……あのね」
「ん?やっぱり知ってた?もう、隠さなくてもいいのに」


