「何?明日のシフトのこと?代わって欲しいところがあるとか?」
「違う違う。まぁ、明日のことっていうのは合ってるんだけどさ。そうじゃなくて」
そうじゃなくて、の後に今野くんは何か言いかけたけれど、その言葉は不意に響いた高い声にかき消されてしまってあたしの耳まで届かなかった。
楽しそうな女の子たちの声が空気を震わせる。
可愛い女子生徒が数人、靴を履き替えて外に出ていくのを、あたしと今野くんはなんとなく見送っていた。
どこかのクラスが準備を終えたのだろう。
下駄箱の位置からして、あたしと同じ1年生のようだ。
普通科の子だから顔も名前も分からない子ばかりだったけれど。
きゃあきゃあと高い声で楽しそうに帰っていく彼女たちの後ろ姿は、なんだかキラキラして見えた。


