振られたのに、もう関わりたくないと思っているのに、今でもこんなふうに意識してしまう。


……早く、こんな気持ち、忘れられたらいいのに。


私がこんなんじゃ、いつまでたっても吹っ切るなんてできないよ。



「梨音!こういうのは気にしたら負けだよ!」


隣に座ったこのみちゃんの声にそちらを見れば、目が合ったと同時にぐっと小さくガッツポーズをされた。


その、ちょっぴり上目遣いな甘い瞳が真剣な色を宿していることに、何だか嬉しくなって。


……このみちゃん、ガッツポーズ好きだなぁ、なんて、ふっと心が軽くなって。



「……うん。大丈夫」



と、思わず微笑んでいた。