「……なんか当の本人は笑ってますけど」
「あ、本当だ!梨音、何笑ってるのーーっ!」
「えへへ……。私、幸せ者だなぁと思って」
さっきまで、振られたショックで心がどんよりと重かったのに。
今はちょっとだけ、心が軽くなったが見えた気がするよ。
「なんか、本当に元気になってきちゃった!心配してくれてありがとう!私は本当に大丈夫だから。
水無月くん普通科だし、会おうと思わなきゃ会わないよ。
そしたら、きっとすぐに忘れられると思うから」
にっこり笑ってそう言うと、このみちゃんと由奈ちゃんは、なんとか納得してくれたようだった。
……そうだよ。
水無月くんを好きになったことなんて、忘れよう。
大丈夫、きっとすぐに忘れられる。
会う機会なんて、そうそう無いんだから……。


