「は、はあああああっ!? 最っ低!!
あり得ない!!ちょっとこれは一発お見舞いして来ないと気が済まないから普通科行ってくる!!」
話を聞いたこのみちゃんが、興奮した声でそんなふうに憤慨してくれたことで、私の不安はすっかり打ち消されていた。
「ちょ、ちょっと待った!!このみは後先考えなさすぎ!!
これは梨音の問題でしょ!このみはちょっと大人しくしてなさい!」
「うええええー、やだやだやだ!!離して由奈、親友がそんな仕打ちされて黙ってられないからーっ」
「ダメ!!私だってその水無月って奴には一言言ってやりたいけど、我慢してるんだから!」
「えー?なんで?我慢しなくていいじゃん!
よし、由奈、一緒に行こう!!いざ行こう!今行こう!!」
今にも教室を飛び出していきそうなこのみちゃんと、それを引き止めている由奈ちゃん。
ふたりとも、私のことをこんなに心配して、私のために怒ってくれて。
……それだけで、心がほわっと温かくなった。
思わず、笑みがこぼれる。


