「結局なんなのさ?」


「さあな。」


「あ?!」




俺の側に近づき、手紙を覗き見ようとしていた奏の横をすり抜ける。


奏がいなくなったドアに手をかけて、さっさと部屋を後にした。



「廉、待てよ!!
まじで俺が怒られるんだって!!」



奏の慌てた声を背に、小走りで目的の場所へと向かう。






しばらく建物の中を歩き、ある一つの部屋の前に立った。


目の前にある、扉を開けようとドアノブを引いた時__________




「ダメですよ。」


「チッ」



その腕を旭に掴まれた。




「てめぇはもう見てるんだろうが。」


「それは仕方がないことだと思うんですが。」


「美愛は俺の女だ。」



「だからこそ、でしょう。あなた方2人が主役だからお互いに会えないんです。」



そう言うと、旭は一歩離れて俺の姿を見た。