「お前が頑張ってきたこの一年は、全部あいつのためだからな。

あいつがお前を生かしてくれた。

だから俺はあいつと__來叶に話さなきゃいけない。」



そこまで言ってくれるこの人は、どれだけ優しいんだろう。


過去の男に嫉妬するどころか、來叶認め尊重してくれる。



そんな廉也の優しさが嬉しくて、思わず自ら軽く唇を重ねた。



「廉也、ありがとう。」



少しびっくりした様子の廉也が、私の言葉に不敵に笑う。



「お前と出会えたこの奇跡、俺は運命だと思ってる。」



そんなキャラじゃないのに、彼の口から出た “運命” という言葉に頷く。


なんて幸せなんだろう。



「だからお前との時間を何よりも大切にしたい。」