「だから、美愛は来てないのかって言ってんだ。お前らがまた美愛を傷つけるようなことがあったら、許さねぇ!!」




扉を開けた瞬間に聞こえてきたその声。


聞き覚えのある、声。



なんで、ここにいるの??




「廉也。」



「彼はね、2週間前くらいから毎日ここに訪れるのよ。

『美愛を許してください、俺が全て悪いんです』って、何度も謝ってくるの。


その誠実な彼の態度に、私は美愛ちゃんのことを憎むのをやめたわ。



けれど、あの人が受け入れてくれなくてね。」




あの人というのは、やっぱりお父さんのことだろう。



あのパーティーの日に見た、憎しみの表情は今でも忘れない。