「すいません。私を無断で入れるようなことをさせてしまって。」 「何をお気になさっているんですか。 ここは、美愛様の家でしょう?」 「今は違います。 私が家族としてここに居られたのは、もう昔のことです。」 昔のことのはずなのに、峰さんは変わらずに私を家族だと思ってくれた。 それだけで、十分だ。 卑屈になる頭を振って、もう一度タオルで体を拭き直す。 その間も、峰さんは私の様子を見守ってくれた。 「今はどちらにお住まいになられているんですか?」 「今ですか……」 なんて言えばいいんだろう。