「美愛、ここで別れだ。」




触れたくてたまらない思いを押しとどめ、唇を噛みしめる美愛を見つめる。





「この戦いが終わって決着がついたら、俺とお前の間にはもう何もねぇ。


美愛、お前は幸せになれ。」



「廉也…………廉也じゃなきゃダメだよ。」




美愛の震える声を、首を振って否定する。



俺じゃなきゃダメなんてねぇ。



美愛ならきっと、もっと良い男と幸せになれる。




「美愛は幸せにならなきゃいけねぇ。

誰にも負けないくらいの幸せを掴まねぇといけねぇ。


その幸せを与えてやれるのは、俺じゃねぇんだ。



だから美愛……もう泣くな。」