「美愛、返事しろっ!!」 「…れ…ん……や……。」 何度目かの呼びかけで、美愛は微かに瞼を開いた。 俺を見て、自分を見て………彼女は笑った。 あまりにも儚く、今までのどの時よりも綺麗な顔で美しく微笑む。 「私を捨てて……それ、で………逃げて…。」 涙を見せず、悲しみも表さず、彼女は笑う。 何も言えず、俺を見つめる美愛の瞳に揺らぎが出た。 「廉也。……なにもなかったんだよ。 全部嘘だって言ったよ。 大丈夫。今ならまだ、引き返せる。 全部、忘れて。 それできっと、なにもかも幸せになる。」