「嘘しか言えねぇ状況なら、これ以上なにも聞かねぇ。

……俺のことを待ってろ。


必ず助けに行く。」




美愛が俺のことを悪く言うのは、嘘でも聞きたくねぇ。



でも、きっと嘘しか言えねぇんだろ。




『来ないでっ!!
絶対に来ちゃだめっ!!


廉也……お願い。
私にも、みんなを守らせてよ。』



「……美愛っ!!」



『全部、嘘だったことにして。
助けなんて、いらないよ。

私の犠牲だけで終わるの。私が、諦めればいいだけなの。


これ以上、なにも失いたくないの。』




騙すことは不可能だと悟ったんだろう。


嘘を吐くことをやめ、美愛は俺に懇願する。