前から歩いてくる男に疑問を持ちながらも、特に気にするほどではないと思ったが、もう一つあることに気づく。




この先はもう一本道。



進んでいけば、あるのは広い霊園だけだ。




あいつも、そこから来たのか?




別に知り合いでもねぇし考えたって仕方ねぇが、なんか気になる。



俺は興味を持つものの、特に警戒はせずに、そいつとすれ違うーーーはずだった。





「初めまして。
龍嵐5代目総長、十六夜廉也。


お前らを壊すために会いに来ました。」




なんの殺気もなく、ただ平然にサラリと、そいつは言った。




なにかされたわけではない。



だが、俺は動けなくなった。