「守り切ってみせる。

あいつが幸せになって、人として満たされた命を終える、その日まで。」



俺の言葉に、鳥遊悠希は返事をしなかった。



独特な緊張が漂うこの空間に、鳥遊悠希と俺は互いに何も言わなかった。




ただ、二人の想いは同じだ。



美愛を愛し、


美愛の幸せを願い、


自分自身の全てを美愛に捧げる。




きっと、本当に愛せる女に出会えたことに感謝しているのも。



たとえそれが、悲劇の始まりだとしても……


それでも、自分も幸せを感じれたから。






鳥遊悠希は最後に、言葉を残した。



「……死ぬなよ。

……ーーー幸せになれ。」