そうだよね?




過去を割り切る必要はないけど、過去を未来に繋がないのは、



過去に頑張った自分への、これ以上ないくらいの侮辱だと思う。




「私は今、龍嵐にいるけど。


それは、鳳凰への未練を断ち切るためじゃないの。



絶望していた私に、たった一人だけ手を差し伸べてくれる人がいたから…



その手を掴んだの。」




廉也と目が合い、ドキッとする。



廉也の必死な救いの手は、私を本当に救ってくれた。




「たとえ彼が龍嵐の総長じゃなくても、例えばただの平凡な高校生であっても……


私はその手を、離したくないの。」