一度止め、深呼吸をする私の背中に、優しい手が回る。 この手が、私を守るのはきっと最後だから。 遠慮なんて、それこそ吉良は傷付くから。 だから、あと一言言わせて。 「それが、私の選んだ幸せ。」 最後にギュッと抱きしめられ、吉良はゆっくりと立ち上がる。 「知ってるか、美愛?」 吉良は私をまっすぐ見て、言った。 「姫の願い事は絶対なんだ。」 その言葉に込められた意味に気づき、私は精一杯の笑顔で、最後の言葉をかつての仲間へ口に出す。 「悠希を救って。」