龍嵐が敵とみなした彼らは、もちろん鳳凰で。



そして、その先頭を率いているのは……晃くんじゃなくて。



総長を抜かした、鳳凰7代目幹部の4人。



まるで、あの頃のように。



堂々と前に立つ彼ら。




4人の視線は真っ直ぐ、私を見つめていた。




「美愛、迎えに来た。」



悠は龍嵐が目の前にいることに躊躇いもせず、私に言った。



その言葉は、確かな宣戦布告。




「俺たちが美愛を渡すわけないんだけど。」



奏の挑戦的な声が聞こえる。




「はっ!馬鹿じゃねぇの。
お前に言ってねぇっつうの。」



懐かしい、乱暴な言葉遣い。


その声に、更に涙が溢れてくる。