二重人格三重唱

産まれて来る子供のために陽子が出来ること。

自分の職場である保育園で預かること。

陽子は摩耶をサポートしたいと考えていた。

過酷な運命を自分と分かち合うことが出来たなら、少しは支えられるかもしれない。

それが自分が死に追いやった翔への供養になるのかもしれない。

翔の体から翼を呼び覚ましたのは確かに自分なのだから。

そう思った時陽子は、この家に住むことを考え初めていた。




 翼の運命を変えた、過去と戦うために。


翔から優しさを奪った現実と戦うために。

そして産まれて来る、二人の子供のために。


そう思った時、答えは決まった。

やはり自分もこの家に住み、この家で生活して行こうと。

二人で互いに支え合える。

それが偽装双子として運命づけられた、翼と翔の魂を癒せる一番の方法ではないのだろうか?




 翼の秘密基地に陽子と摩耶が立っていた。

それぞれの胸には産まれて来た子供が抱かれいた。

陽子と摩耶は走ってくる電車を見ながら、人の痛みが分かる子供に育てようと誓い合っていた。


地面にしっかりと立って、根が張れる子供。


何時か二人で行った、コミネモミジのような子供。


陽子はこの子供達のために、太陽のようになりたいと思った。