戦火の乙女の像の前で手を合わせた。
途中で見た立て看板には、道路封鎖の案内があった。
六時から九時までだった。
「つまり、灯籠流しは六時からだってことか?」
「良かった。意外と早く帰れるかもね」
まだ時間があったので星川の先まで行ってみた。
上熊谷駅とデパートを繋ぐ通りの途中の交差点から、地下を通っていた川が現れる。
それが星川だった。
星川はいきなり始まる。
そんな言葉がぴったりな小さな川だった。
上熊谷駅まで歩く。
小さな駅の周りは静かに、星川の灯籠流しの始まる時を待っていた。
「もうちょっとすると賑やかになるのかな?」
閑散とした風景を心配した翼が独り言を言う。
「これから大切な行事が始まるのにね」
そう。灯籠流しが始まる少し前にしては駅前に人が居なさすぎる。
「電車が着いたらきっと大勢降りて来るわよ」
二人は頷きながら、鎌倉町の星川通りに戻った。
戦火の乙女の像の前にはまだ人はいなかった。
それでも既にテーブルなどは置かれていた。
ガサゴソ音がして、いきなり道路に水が撒かれた。
小さな広場横の植え込み中に水道があるらしく、其処からホースが出ていた。
今度は乙女の像の横から撒く。
その人が去った後、雑巾を持った女性がテーブルを拭き始めた。
そしてその後、その雑巾をどこで洗うのかで相談していた。
そんな光景をぼんやり見ていた二人。
「あのー、植え込みの中に水道があるはずですが……」
たまりかねて陽子が言う。
これから灯籠流しのある星川を汚したくない。
陽子も女性も考えは同じだった。
陽子はさっき水を撒いてた辺りにその人を連れて行った。
「地元の人でも知らないんだね」
「それを教えた私って偉い?」
陽子は翼に耳打ちをした。
やっと準備が始まろうとした時のことだった。
川の飛び石に下りていた人が流す真似をしていた。
次々と真似をしては話し合う。
どうやら川の水位が何時もより低くて、子供達が川に落ちるのではないかと言う相談らしかった。
途中で見た立て看板には、道路封鎖の案内があった。
六時から九時までだった。
「つまり、灯籠流しは六時からだってことか?」
「良かった。意外と早く帰れるかもね」
まだ時間があったので星川の先まで行ってみた。
上熊谷駅とデパートを繋ぐ通りの途中の交差点から、地下を通っていた川が現れる。
それが星川だった。
星川はいきなり始まる。
そんな言葉がぴったりな小さな川だった。
上熊谷駅まで歩く。
小さな駅の周りは静かに、星川の灯籠流しの始まる時を待っていた。
「もうちょっとすると賑やかになるのかな?」
閑散とした風景を心配した翼が独り言を言う。
「これから大切な行事が始まるのにね」
そう。灯籠流しが始まる少し前にしては駅前に人が居なさすぎる。
「電車が着いたらきっと大勢降りて来るわよ」
二人は頷きながら、鎌倉町の星川通りに戻った。
戦火の乙女の像の前にはまだ人はいなかった。
それでも既にテーブルなどは置かれていた。
ガサゴソ音がして、いきなり道路に水が撒かれた。
小さな広場横の植え込み中に水道があるらしく、其処からホースが出ていた。
今度は乙女の像の横から撒く。
その人が去った後、雑巾を持った女性がテーブルを拭き始めた。
そしてその後、その雑巾をどこで洗うのかで相談していた。
そんな光景をぼんやり見ていた二人。
「あのー、植え込みの中に水道があるはずですが……」
たまりかねて陽子が言う。
これから灯籠流しのある星川を汚したくない。
陽子も女性も考えは同じだった。
陽子はさっき水を撒いてた辺りにその人を連れて行った。
「地元の人でも知らないんだね」
「それを教えた私って偉い?」
陽子は翼に耳打ちをした。
やっと準備が始まろうとした時のことだった。
川の飛び石に下りていた人が流す真似をしていた。
次々と真似をしては話し合う。
どうやら川の水位が何時もより低くて、子供達が川に落ちるのではないかと言う相談らしかった。


