〈咲良side〉
「おはよー」

私はパジャマ姿でリビングの方へ出てきた。

「おはよう、咲良。」

台所で私の分の朝ごはんを用意してくれながらお母さんから挨拶が返ってきた。

「姉ちゃんおきんのおそいんだよ!入学式何時からなんだよ!」

弟に怒られながらしばしば時計を見てみると8時40分だった。

9時半から入学式が始まるのにもう一時間もない。

「俺、2回も姉ちゃんを起こしにいったけど起きない方が悪いんだからな。」

「はいはい。」

と、適当に返事をしていた。