じゃあなんで逃げたんだよ、っていってやりたい。
勘違いしてんじゃねーよといってやりたい。



……でも、“今”はまだ言えない。

蘭蝶のやつらが極悪非道でさいていなやつらだと。




「あははー。そうだよぉ!逆に蘭蝶の皆様を近くで見れてラッキーだったよぉ。」




だから、いまはいまだけは皆と話しを合わせておく。




「えぇ!菜綺いいなぁ!」


「菜綺ずるいー!」





「いいでしょぉー!」



ちっ、私残して逃げたくせに。
だったら、置いてくなよ馬鹿野郎!


…といえるはずもなく私はみんなに自慢するように笑った。