じゅりと夫の会話

たわいもなく・・・でも、そこは恋人の空間。

メールでいちゃいちゃするのもある意味楽しいものなのか・・・・。

さゆりはチェックしながら、夫が今日は元気だったのか?

こんないやらしい会話してる・・・とか

じゅりを通して感じるものもあった。

「あいたた・・・・」お腹の子供もポコポコと蹴りだし

「もうすぐなんだ~」っていう母の実感を感じる日々。

臨月を迎えた頃には、じゅりと夫のことはほとんど放置していて・・・

とにかく妊婦として、ゆったりと過ごした。

「私にはこの子がいる。」さゆりの絶対的な安心感はこのお腹の子供だけで・・・

夫ではない。

でも・・・子育ては不安・・・さゆりは夫とは別れられない。

いや、これから共に子育てをスタートするのに、

嫌いになる余裕はない。

さゆりはニッコリ微笑み、聡を待つ。

「お帰りなさい」

「ああ・・・ただいま」

ニッコリの後に

ちょっとの憎しみ・・・

「あーーでも、ダメダメ。お腹の子供に悪いわよね。」

そう思うと、お腹の子供もそれに答えるように、さゆりのおなかを蹴る。

そして、年末だというのに・・・

さゆりの陣痛は始まりを迎えた。