「せいのことなんだけど・・・」

「せい・・・せい・・・って。」

「ごめん・・・でも・・・」

「離婚するってことは、せいも失うことよ。」

親権はやはり譲りたくない。さゆりの強い意志は変わらなかった。

「たまには会えるのか・・?」

「まだ・・・無理かも」

せめてたまには。って男はこういう時に、強く出れない。

「息子に・・・」

「何よ。いまさら息子にって。」

話せば話すほど・・・さゆりは憤慨していくのが恐ろしく・・・

「なんで?

なにがいけなかったの?わたしたち・・・」

思い出のたくさん詰まったこの家で

さゆりは過去を振り返る。

「実はさ・・・

見ちゃったんだ・・・携帯の・・・」

さゆりはあのサイトのことを打ち明けた。

「おまえ・・・」

「だって・・・あなた。あんなに無防備に・・・

でも、そうじゃなかったんだね。

恋人は別にいたなんて・・・ビックリだわ。」

「サイトは本当に魔が差した。

おまえが育児で忙しくって

俺は仕事ばかりだったからな。」

「じゃあ・・・今の恋人は・・・?

あなたにとって、その女性はどんな存在なの?

離婚を決めたくらいのその女って・・・」

さゆりはもう、涙も止められず、感情のままに聡に今、ぶつかっていった。

「彼女は・・・」

聡は、さゆりに芽衣への気持ちを語りだした。