さゆりの一日はあっという間。

せいを起こして・・・

ご飯を食べさせて・・・

散歩

ベビースイミング

昼食

昼寝

買い出し・・・

こんなことを365日休まずやるなんて、主婦ってなんて地味で忙しいの?

「おい・・・さゆりーーーいるーー?」

「はーい。」

さゆりの母は車で1時間の場所に住んでいた。

「せいちゃんに、これ」

「うわーーすごい」

せいは保育園に行くことが決まった。

「来月からかい?」

「うん。急だけどね。空きがでて・・・」

「ばぁば・・・」せいもようやくさゆりの母を「ばあば」なんて呼ぶ。

「おう・・・せいちゃん。」

さゆりの母は、カタカタ押して歩くおもちゃを買ってきた。

「やってみ~」

せいはカタカタと手押し車を押すと

カタカタ・・・あひるやウサギがピョコピョコと動き、せいも喜んだ。

「あら・・・転ばないでよ。せいちゃん。」

せいはまだ歩くのも安定しないのか・・・

右へ左へと

そのたびに、カタカタ・・・♪と

「あと、これも。」

保育園の準備も忙しい

お昼寝用の布団一式や

スプーン・フォークセット

お手拭タオル

「こんなにいいの~?お母さん・・・」さゆりは孫のために、こんなに買ってくれた母に

頭が上がらない。

「で・・・あんた、仕事するのかい?」

「う・・・うん。まあね」

「あまり無理しないでね。せいちゃんもいるし・・・」

「うん。」

さゆりはスーパーでの勤務経験を経て

スーパーを取り仕切っている、とある企業に内定した。

フルタイムでも、融通が利く

上司に推薦され、この時代に出産後に社員として就職

さゆりの母は

「これもチャンスだから・・・」って応援してくれていた。

「明日も、会社で研修だからさ。お願い」

さゆりは着々と準備を進めていた。

「せいちゃん。明日また迎えにくるね。」

そう言ってさゆりの母は帰って行った。