なんで今そんなことを思い出したかというと、目の前にいる親友、浅間 夏が好きな人について熱弁しているからである。

「ちょっと、紗菜?聞いてる!?」

「……あんまり。」

私、古海 紗菜は恋をしたことがない。そして恋にまるで興味がない。

「紗菜はさぁ、せっかくそんなにスタイルよくて美人なのに、あんまりしゃべんないから、みんは地味なコって思ってるよー!」

ついでにいうと、私はあまり他人にも興味がない。だから友達と呼べる人は少ないけど、私はそれで十分だ。