スピカ ―記憶の欠片―



「……ごちそうさま」


彼は一番に食べおえ、どこかへ行ってしまった。


謎は深まるばかりだ。何者なのだろう。


気になって、私は早めに食事を切り上げる。

今日はそんなにお腹もすいていない。大丈夫だ。



「ヒノくんなら、浜辺にいるじゃろう」

「ありがとうございます。……って、どうして分かったんですか!?」

「顔に書いてあったからのう」

「で、では失礼します! ごちそうさまでした!」


私ってそんなに分かりやすいのか。





急いで病院をでる。意外と肌寒い。


目の前には海が広がっていた。

真っ暗で、真っ黒。夜の海は幻想的だ。



美しい星空が真上にある。



――――彼は、そんな空を見上げていた。