スピカ ―記憶の欠片―



――――私、後悔なんてしてない。


だから、ほら。笑ってよ。




ヒノが笑ってないと、調子が狂っちゃうよ。

ヒノに泣き顔なんて似合わない。



なんで泣くの? 私は大丈夫だよ?


ヒノは笑っていてよ。いつ、どこにいても。




私、ヒノが守れればそれでいい。

私が死んでも――――それでも、構わない。



何を犠牲にしたって構わない。

あなたを守ることができるなら。



薄っぺらい口先だけの誓いじゃない。

心の奥底からの、叫び。



この体が砕け散ろうとも。

この心が壊れようとも。



私は――――。



その覚悟は、とっくにできていた。




お願いだから。

私の代わりに生きて。



私は死んじゃうけど――――ちゃんと生きて。


それで、またいつもみたいに不敵な笑みで私に声をかけてね。




「だからおまえはいつまでたっても馬鹿なんだよ」って。