香奈sideー



「ん…」


私はかすかに目を開けた。



「!?」





言葉にできないほどの驚きに私はどうしていいのか分からずパニックになった。






目の前に尾崎君の顔。





私の背中には彼の手が回されている。







そして自分も彼に抱きついている形で寝ていたのだ。







何がなにだからわからない。






一旦落ち着こうと息を吐いたがそれでも何が起こったのか理解できない。






「ん…?
あ。安積目ぇ覚めた?」





彼は寝ていたのではなく目をつぶっていただけのようではっきりとした口調でそう私に告げた。






「一体…これは……」






「あんたが昨日自分から抱きついたまま寝ちゃったからしゃーなしに尾崎が一緒に寝てくれてたのよ。」





背後から杏の声がした。





尾崎君の背中に回していた手をどけて振り返ると杏が笑ってた。