「いゃぁぁぁぁぁ！」
いきなり叫び声を出して安積は起き上がった。
「今！絶対香奈の手を離さないで！」
そう俺にいうと有岡は安積に話しかけた
「香奈。私はここにいるよ？」
はっと目が覚めたようで安積は涙目になっていた。
俺と繋いでた手をぱっと離す。
もう大丈夫なのか…？
そう思った次の瞬間。
ぎゅっと抱きしめられた。
抱きしめてきた本人はまだ意識があやふやのようでガタガタ震えながら涙を流す。
いきなりの出来事で俺はどうしたらいいのかわからず戸惑ったが、ぎゅっと抱きしめ返した。
「あぁーあ。
それ、私の役割だったのに尾崎に取られちゃった
尾崎君は照れてるのかなー？」
そう言いながらクスッと笑う有岡は余裕のない俺をみてわらっているようにみえた。
「うっせ。」
口ではそう言ったが顔はだいぶ赤くなってるだろう。
クソ恥ずかしい。
「あぁー、全国の尾崎ファンにこの様子を届けてあげたい…」
「ぜってー嫌だ」
