「安積さん?」
背後から声がした。
ぱっと振り返るとニコニコしながら手を振る制服姿の尾崎君の姿があった。
「あ。尾崎君。おはよう」
にこっと笑いかけて私は答えた。
「安積さん早くない?時間。」
「この前みたいに遅刻ギリギリはねー。
ちょっと早くきてみたら早すぎちゃった。」
そう言った。
「尾崎君も早くない?」
「俺は朝練だからねー。」
「あっ。そっか。
すごいよね。長距離」
「そう?俺はもうこれが普通だからな。」
にこっと笑って私に答えた。
そーなんだ。
きっとそれが楽しくて仕方がないんだろな。
クラっーーーーーー
一瞬私の視界が揺れた
思わず足を止めた

