「なーに見てんの!香奈!」



私の右肩を必要以上に押し、私に話しかけてきた彼女。




有岡杏(16)
中学から一緒でいつも一緒にいる友達。




「べっつにー。ちょっと外眺めてただけだよ。朝からよく走るなーと思ってね。」



ちょっとふくれながら杏に向かってそう言った




「ほんとによくやるよね。朝っぱらから。陸上部の長い距離の人たちなんて何であんなに朝から走ってるんだろね。」





と、外で朝練をしてる人たちを見て杏は
答えた。



「あ。でも。」



「颯君は何しててもかっこいいけどねー。あんな風にずっと走ってるだけでも絵になっちゃうんだもん。不思議。」



と颯君と呼ばれる男子の方を見た。