「待ってよ。待ってよ。お母さん。 私何か悪いことした?ねぇお母さん!!」 必死に走って追いかける私。 けれど一行に追いつかない。 涙をボロボロこぼしながら前を歩き続ける私の母を追う幼い日の私。 「待ってよ…、 待ってよお母さん。」 力尽きて地面に座り込んでそう呟いた。 その声は誰にも聞こえることなく、真っ暗闇の中にすーっと消えてゆく。