景色に飲まれて言葉を発することも忘れていた私。 「すごいでしょ。 ここ、俺のお気に入りスポット。 なんかあったらここ来るんだ。 落ち着くだろ?」 「…尾崎君だったらもっとショッピングセンターとかに連れてかれるかと思ってた。」 「だって、安積そういうところあんまし好きそうじゃなかったから。 そっちの方が良かった?」 心配そうにそう告げる彼に私は答える。 「ううん。何倍もこっちのほうがいい。 こっちのほうが。いいよ。」 夕日を見ながら私はそう答えた。