美紀……
私はそんなこと言ってないわよ。

ねえ美紀。
今からでも遅くはないからダーリンと並んで座ろうよ。


ねえ美紀お願い。
私は助手席に座りたいのよ……


あ、ダメだ。
美紀ったらすっかりガードしてる。

そんなにダーリン……
じゃない、パパが好きなの?

美紀……
ごめんね。

私ったら、ワガママね。


いいわ。
此処で我慢する。

貴女の将来を左右するかも知れない大阪行きだものね。

私も一緒に……
ううん。
智恵さんとも一緒に考えましょうね。


でもまさかあの時……
あのキスを見られていたなんて……

私節操がないから、ダーリンの唇が欲しくなるの。


ごめんね美紀。
試合前、怖くてね。
ダーリンのキスで、震えを止めてほしかっただけだったの。

でも一度触れたら堪らなくなったの。


決して貴女に見せつけるつもりなんてなかったのよ。
信じて……