「もしかしたら食材探してるの?」
直樹君の問いに頷いた。
「待っていて、すぐ持って来るから」
直樹君はそう言いながら、まだ片付いていない荷物の上から松宮スーパーの袋を取り出した。
「こっちに来る前にパンと玉子だけは買っておいたよ。ほら悪くならないだろ?」
私は頷きながら、直樹君の手から袋をもらった。
確かにあまり悪くはならない。でも食パンの消費期限は今日だった。
「えーと、ケチャップは何処かなー」
「オムレツ?」
直樹君の言葉に頷く。
何故だか判らない。
勝手にしゃべっていたのだ。
「そう言えば、ママと美紀も良く作っていたな」
しみじみと直樹君が呟く。
それがどんな意味かも知らず、私は微笑んでいた。
私は今まで、調理実習以外に料理なんてしたことがない。
それなのに、オムレツを作ると言う。
本当は物凄く心配なんだ。
だって直樹君に見られて冷静でいられるはずがない。
「直樹君。悪いけど調理器具探してくれる。えーと、ボールとフライパン……」
それでもそう言いながら流し台の下の取っ手を引いた。
「えっ!?」
私はその後言葉を失った。
鉄板が二枚付いたホットプレートの脇で、鉄製のフライパンが錆びていたからだった。
「うぇ、大丈夫か?」
直樹君が心配そうに言った。
「大丈夫、磨いて油を引いておくから」
私は自分の言葉に驚きながらも次々と作業をこなしていった。
フライパンを流し台に移し水を掛ける。
全部浸らせた後で磨くために。
でも何処にも道具が無かった。
「スポンジとかタワシとかあればすぐ出来るのに」
私はがっかりしながら、ダメ元で調理台の下の引き出しを開けてみた。
其処にはラップ類が数本並べられていた。
「あっこれだ!」
私は突然閃いてその中にあったアルミホイルを手にした。
それを適当にカットしてぐちゃぐちゃにしてフライパンを磨き出した。
「えっ、そんなことが出来るんだ!?」
直樹君が目を丸くする。
私は得意になって更にピカピカに磨きあげたのだった。
直樹君の問いに頷いた。
「待っていて、すぐ持って来るから」
直樹君はそう言いながら、まだ片付いていない荷物の上から松宮スーパーの袋を取り出した。
「こっちに来る前にパンと玉子だけは買っておいたよ。ほら悪くならないだろ?」
私は頷きながら、直樹君の手から袋をもらった。
確かにあまり悪くはならない。でも食パンの消費期限は今日だった。
「えーと、ケチャップは何処かなー」
「オムレツ?」
直樹君の言葉に頷く。
何故だか判らない。
勝手にしゃべっていたのだ。
「そう言えば、ママと美紀も良く作っていたな」
しみじみと直樹君が呟く。
それがどんな意味かも知らず、私は微笑んでいた。
私は今まで、調理実習以外に料理なんてしたことがない。
それなのに、オムレツを作ると言う。
本当は物凄く心配なんだ。
だって直樹君に見られて冷静でいられるはずがない。
「直樹君。悪いけど調理器具探してくれる。えーと、ボールとフライパン……」
それでもそう言いながら流し台の下の取っ手を引いた。
「えっ!?」
私はその後言葉を失った。
鉄板が二枚付いたホットプレートの脇で、鉄製のフライパンが錆びていたからだった。
「うぇ、大丈夫か?」
直樹君が心配そうに言った。
「大丈夫、磨いて油を引いておくから」
私は自分の言葉に驚きながらも次々と作業をこなしていった。
フライパンを流し台に移し水を掛ける。
全部浸らせた後で磨くために。
でも何処にも道具が無かった。
「スポンジとかタワシとかあればすぐ出来るのに」
私はがっかりしながら、ダメ元で調理台の下の引き出しを開けてみた。
其処にはラップ類が数本並べられていた。
「あっこれだ!」
私は突然閃いてその中にあったアルミホイルを手にした。
それを適当にカットしてぐちゃぐちゃにしてフライパンを磨き出した。
「えっ、そんなことが出来るんだ!?」
直樹君が目を丸くする。
私は得意になって更にピカピカに磨きあげたのだった。