「由香ーっ!」

大声で呼ばれて振り向いた私、大原由香。

「あっ、加奈!」

「今日具合悪そうだったから、心配してたんだよー?大丈夫?」

親友の三村加奈は、相変わらず優しい。

私の一番の友達だ。

「心配してくれてありがとね♪すっかり治ったよ!」

「なら良かった!」

加奈の優しさに感心して、ぼーっとしていた私。

「痛いっ!」

突然の痛みに悲鳴をあげる。

「あっ、ごめん!大丈夫?」

ぶつかってきたのは、同じクラスの男子、春野翔だった

私が大好きな人。

「あっ、うん!えっと、こちらこそごめん。」

突然の翔の登場に、つい早口になる。

「良かった!じゃあね。」

強烈にかっこいい笑顔を浮かべ、翔は走っていった。