長門さんの言動に驚いていると、わたし達の前に人が現れた。
白い軍服を着た、これまた背の高い、顔の整った人。
長門さんとは違い、長めの髪が目にかかっていて邪魔そうだ。


「久しぶり、長門さん。」
「久しぶりだな。…須藤、こいつは霧島だ。」
「霧島さん、初めまして。わたし、須藤陽菜です。」
「…あ、うん。…ねえ、長門さん、この人何?」


霧島さんの視線がわたしに刺さる。
もしかしたら、好ましく思われてないのかもしれない。


「訳あって、長門に乗っているのだ。」
「へえ。ねえ、あんたさ、どんな訳か知らないけど、フネ降りたら? 丁度よく陸に来てるわけだし。」
「え……。」
「霧島!」
「だってさ、こんな弱そうな女フネに乗せてたって、長門さんも大変でしょ。」


そうだ。
わたしは長門さんが居場所だと思っているけど、長門さんの迷惑を考えていなかった。