サウンド・ラップトップ

ブツッ。

マイクの切れる音がして、

突然静かになる放送。

みゆきたちは息をのんで見守った。

放送が再び流れる。

聞き馴染んだ声。慎太だ。

《これから僕が話すことは

僕の好きな人に迷惑をかけることなのかも

しれない。僕なんかが好きだって

みんなに知れ渡ってしまうから。

だけど僕はね…言わずにはいられないんだ。

苦しかった。でも一人じゃ勇気が出ないから

今こうしてマイク借りてる》

何を言っているの。

みゆきは姿の見えない慎太を

想像しながら聞いた。

みゆきの知る慎太は、

弱くて優しくて……こんな、

こんな手荒い真似をする奴じゃない。

《聞いてほしい。ミユキ》