1つの恋のドラマ



「あああああああ!!」


「今度は何」


私が叫ぶと明日香は呆れた顔で私を見た。


「筆箱教室に忘れた…」


「はあ?私は戻らないからね」


そう言って明日香は生物室に入っていった。


走れば間に合うかな…


そう思いながら私は教室までダッシュした。


「わあ!」


教室に向かう途中の廊下で誰かとぶつかった。


「痛…」


「大丈夫?」


ぶつかった彼は転んだ私に手を差しのべた。

その手を握り私は起き上がった。



「あ…」


思わず口を開いてしまった。

ぶつかったのは瀬戸だった。


「ん?」


「あ、ごめんなさい」


私のまわりにはぶつかったときに落ちてしまった彼の筆記具が散らばっていた。

私はそれを拾い彼に渡した。