「上手いんだけどもっとこうやって…」 瀬戸はボールを持っている私の手の上に自分の手を置いた。 私はビックリして後ろを振り向いた。 すると瀬戸は今まで見たことないくらい真剣な顔をしていた。 ボールを投げると綺麗に放物線を描きながらゴールに入った。 「入った…」 「…ったりめーだ。現役バスケ部なめんなよ」 私は手元に戻ってきたボールを彼に渡しながら言った。 「かっこよかったよ」 そして私は舞台に向かって歩いた。