「ごめん。お待たせ」

「じゃあ行こっか」

彼はいじっていたケータイをしまい歩き出した。

「行くってどこに?」

私は首を傾げた。

「家まで送るよって意味。」


「え!いいのに…」


「だめ。ていうか俺が送りたいの。」

彼は私の顔を見て微笑んだ。


「あ、うん…。あ、ありがとう。」


私は瀬戸の隣に並んで歩いた。



家に着くまではいろいろな話をした。

クラスのことや部活のこと。


知らない世界をたくさん知れて嬉しくなった。


「今日はありがとう!じゃあね」


家の前に着くと彼に手を振って家に入った。



部屋に入りベッドにダイブして瀬戸のことを考えた。

私は男子と話すことは滅多にない。

そんな私が楽しく話をしながら家まで送ってもらうなんて明日香が知ったら驚くだろう。