「そうだったんだ!瀬戸のクラスは文化祭何やるの?」
「劇。そっちは?」
「縁日!」
「演劇部は文化祭でやんないの?」
「やらないの。引退公演の練習を1年間してるんだ。」
「引退公演?」
瀬戸は首を傾げた。
「高2の先輩が部活やめる3月に公演するんだけどその練習。
脚本、演出、音響から背景まで演劇部みんなで考えるの。
1年間すごく大変だけど引退公演終わったときは感動でいっぱいって先輩が言ってた。」
「すげー!俺、それ見に行くよ!」
「本当!?嬉しい!」
私は目をキラキラさせた。
「夏井の演技楽しみにしてる」
彼は優しく微笑んだ。
「私は脇役なんだけどね」
「でも演劇の話してるときの夏井、すげーイキイキしてる。」
私は顔がカーっと赤くなった。
演劇の話をすると私は止まらなくなってしまう。
