一旦教室に戻り、瀬戸に筆箱を返しに行こうとした。
「あ…クラス分からない…」
上履きの色は同じだったから確実に同じ学年だろう。
普通クラスに友達がいないため頼れる人もいない。
なので私は1組から順番に回ることにした。
4組まで来て教室を覗くと後ろから話しかけられた。
「夏井?」
振り向くと瀬戸が立っていた。
「あの…筆箱ありがとう。」
私は彼に筆箱を渡した。
「あ、ごめん。俺クラス言ってなかったよね。」
「大丈夫。無事見つかったし。」
私はニカっと笑った。
「俺、4組の瀬戸雄大」
「私は…」
私が自己紹介しようすると彼が口を開いた。
「特進クラスの夏井麻美。だろ?」
「うん。じゃあ私そろそろ教室戻るね。」
「じゃあな」
私は微笑み、ペコッと頭を下げた。
