「ありがとう」
彼は微笑んだ。
あ…笑った…
彼のキラキラした笑顔に見とれていた。
「あ…もう間に合わないか…」
「どうした?」
「今日に筆記具忘れちゃってでももう間に合わないから戻ります。では。」
私は生物室に戻ろうとした。
「はい。」
彼は私に自分の筆箱を差し出した。
「俺の持ってきなよ」
「え…でもそしたら…」
「俺のことは大丈夫。心配しないで。もうチャイム鳴っちゃうよ?」
「あ、あのじゃあお言葉に甘えてお借りします!」
と言って私は生物室にダッシュするとギリギリ間に合った。
授業が終わると明日香に筆箱のことを聞かれた。
「まさかあのチャラ男から借りたんじゃないでしょうね」
チャラ男というのは多分ざっきーのことだろう。明日香はざっきーを警戒している。
「違うよ」
「なら良し。」
