昔々の物語、とある国の小さな村にとても元気の良い女の子がいました

「早くーッ置いてっちゃうよ!!」

村で一番のお転婆娘と評判のイエル

「ま、まってよイエルッ」

そのイエルの後をついて行くのは幼馴染みのクレア、いつもイエルのヤンチャに付き合わされています

二人はとても仲良しです。

「ねぇイエル、私達は大人になってもずっと友達だよね」

「何言ってるの、当たり前だよ」

イエルとクレアはこの幸せが永遠に続くと思っていましたが、それは叶いません。何故ならこの国の王様は自分勝手な人で、この間も気まぐれで村一つを潰してしまったそうです。

数年前は反乱軍も存在していました。
しかし王様は力がありました。どんなに強い人でも王様には敵いません

そんな自分勝手な王様の気まぐれがイエル達の町へ向いてしまいました。こうなれば後は消えていくしかありません

これがこの国なのです。

「ねえ、イエル、お母さん達...何処だろう...?」

「お家にいるよ、きっと」

「でも...お家...」

入れないよとクレアが呟きました。村は見るも無残な姿になっていました、所々で火も上がっています

「おうさまが、来たのかな...」

「わたしたち、何もしてないよね」

二人は泣いていました。手を繋いで、泣いていました。悲しみのその奥に微かな憎しみと復讐心を従えて