「そろそろ帰るか?」 松田星也が新井俊太にいった。 いつもはもっと夜遊んでから 家に帰るのだが今日はなにもすることがない。 「だな。今日はおれんちくる? 昨日はまっつん家いったし」 星也のことをまっつんと呼ぶのは 俊太くらいだ。 おう。と答えながら、星也は 遠くの方の情景をみていた。 弱そうな2人の男が うちの学校の制服の女に 声をかけている。 となりの俊太も、 あきらかに男を怖がっている女をみて ふう、と少し息を吐いた ──…