「あっ、お前らまた授業サボってやがんなー」

「あっ、大島ちゃーん」

「あ、大島先輩」




学校の裏庭で桃ちゃんと恋バナをしていると2年生の大島(おおしま)先輩がのそのそ歩いてきた。



まぁまぁイケメンで身長もあるけどさして興味はない。




「大島ちゃん?今は昼休みだよー?」

「ありゃ、そうなのー?ずっと保健室で寝てたから分かんねーやー」

「大島先輩、寝癖ついてる」

「おっ、こりゃ大物がついてんなー。後で直さんと…」




大島先輩はもともと桃ちゃんと龍くんと風間くんの中学時代の先輩だったそう。


いつの間にかあたしとも仲良くなった。



この人もバスケ部だったらしいけど今はやめて帰宅部になっている。




「てか、何だよ春子お前好きな奴でも出来たのー?」

「今の話聞いてたの?ていうか、前話したし!」




大島先輩はあたしたちの隣にドサッと座るとスマホを取り出していじり始めた。



聞く気ないのか。




「大島ちゃん、春子っちは風間くんのことが好きなんだよ?」




桃ちゃんは大島先輩の腕に手を絡めるとニコニコしながら言った。



だからそれ、前に大島先輩に言ったから。




「っはあぁぁ?!風間って、あの風間?」

「そーだよ?あの風間くん!」




大島先輩は驚いてスマホを放り投げた。



だから、前にも言ったから!




「アイツ女の子に興味ないじゃん!しかもバスケバカだし!どこがいいわけ?」




なによ、存在に決まってるじゃない!

それにそんなこと大島先輩に言われたくないー!


だって大島先輩の前の彼女、あきらかに性格悪いブリッコだったし。




「あたしが紹介したら、春子っち超ベタボレになっちゃって!」

「桃、紹介する相手間違えすぎだろ!風間って中学んとき彼女いたことなかったくなーい?」

「えぇ、そうかなあ…。春子っち可愛いし、結構いいと思ったんだけどねー」




大島先輩はワザとらしくハァーッとため息をついた。