「あたし龍ちゃんのバスケ見たーい!」
ふと桃ちゃんが言った。
あたしだって風間くんのバスケ見たーい!
絶対見せてくれないだろうけど。
「いいぜー?俺桃ちゃんのためなら何でもしちゃう!」
龍くんって本当に桃ちゃんにベタボレだよね。
そんな愛されてる桃ちゃんってすごくすごく羨ましい。
あたしも風間くんに振り向いてもらいたいよーーーー!
風間くーん、こっち向けー!
「おい、何赤くなってんだタコ」
風間くんはあたしにハンバーガーの包み紙を意味なく投げつけながら言った。
風間くん、あたしの想いが届いたの?
だから構ってくれてるの?
「大好きーー!」
あたしは愛の包み紙を投げ返した。
「いってぇよ!お前強すぎ。てか、意味わかんねーしっ」
「愛のキャッチボールだね!」
「殺すぞ」
きゃー、好き。
何でそんなにかっこいいの、このままずっとここにいたい。
「あは、春子ちゃんって本当に面白い子だよねー。桃ちゃん以上に変わってるっていうか」
「やだなー龍くん、桃ちゃんの方がおかしいよ!」
「えっ、ちょっと春子っち!それどういうことー?うー!龍ちゃーん!」
「よしよし、桃ちゃんの良き理解者は俺だけで十分でしょー?」
「うーん、でもあたし春子っちのことも好きだから…」
「えー、フラれたー!風間ーどうしよー!」
「寝ろ」
なんて、楽しいんだ。
